投稿日:2023.05.26

【作家志望者必見】出版社が語る【小説を書くコツ】とは

「新人賞にいくら投稿しても結果が出ない」

「小説投稿サイトで連載しているけれど、PVが増えない」

そんな悩みを抱えていませんか?

 

売れる小説、人気の出る小説、それはつまり読者に「面白い」と思ってもらえる小説のことです。

 

面白い小説を書くには実はさまざまな技術が必要であり、ただ自分の内側から湧き出てくるイメージだけで小説を書いてしまうと、ありきたりな作品にしかなりません。

 

どういうことかと言うと、面白い小説を書くためには創作論をきちんと学ぶ必要があるということです。

 

この記事では面白い小説を書くために必要な

・キャラクターの作り方

・プロットの立て方

・文章力の鍛え方

を解説し、さらに作家志望者なら常識ともいえる創作論の必読書を紹介します。

 

キャラクターの作り方~ 旧知の友人のように性格を説明できますか?

まずはキャラクターの作り方から簡単に解説していきましょう。

 

主人公や主要キャラクター、ラスボスなどは丁寧に設定を作り上げているよ、という方は多いと思います。

それは本当に充分に作り込めていますか? 作り込んでいるつもりになっているだけではありませんか?

 

髪の色や瞳の色といった外見。性格、趣味、冒険の目的など内面的なもの。

そういった思いつく項目を埋めただけのキャラクター設定になってしまっている方が意外と多く見受けられます。

 

主人公や周辺キャラクターだけではなく、ある程度の出番がある脇役くらいまでは、旧知の間柄であるかのように人柄を説明できるレベルまで設定を作り込む必要があります

 

「こんなことまで!?」と思うほど細かく設定を決めて良い

主人公や主要キャラクター、敵対する重要キャラクターはもちろんのこと、物語の途中で深く関わってくる脇役にも、丁寧な設定を用意する必要があります。

 

外見については、絵を描ける方はイメージ図で表現してしまっても良いでしょう。

 

内面については、基本的な性格だけではなく、

・両親との関係性

・幼い頃感銘を受けた出来事

・座右の銘や好きな言葉

・好きな動物や苦手な動物

など、挙げ始めればキリがありません。

 

実際にどういった項目を作り込むべきかは後述する創作本の中で詳しく解説されていますので、興味のある方は読んでみてください。

まるで探偵が一人の人物の全てを観察し調査書を作り上げるかの如く、キャラクターひとりひとりを深掘りしていきましょう。

「こんなことまで!?」と思うほど細かく設定を決めて良い

 

キャラクター設定を作る時に注意すべきこと

ここで一点、注意すべきことがあります。

 

項目を埋めることが目的化してしまい、一貫性のないキャラクター設定にならないように気を付けることが重要です。

 

たとえば「虫が苦手なのに趣味がキャンプ」という設定は一見矛盾が発生しています。

そこに「どうしても川のせせらぎや緑の匂いが好きで、虫除けスプレーを大量に振りかけてキャンプを行っている」などという納得のいく理由でも入っていない限り、ちぐはぐなキャラクターとなってしまうでしょう。

 

設定と設定の間に矛盾がないか、無理に設定項目を埋めただけになっていないか、よく注意しましょう。

キャラクターが矛盾しています

 

プロットの立て方~「起承転結」では駄目な理由

プロットという言葉を知っていますか?

物語のあらすじ・展開の設計図のようなものです。

 

有名なストーリーの流れとして「起承転結」という言葉がありますが、プロットを起承転結に沿って立てるのはあまりオススメできません。

 

起承転結では、物語が大きく動くのは全体の4分の3を過ぎた「転」の部分になります。

それでは盛り上がりまでが遠すぎて、途中で退屈した読者が脱落してしまいます

 

「面白そう」と思わせるのは早ければ早い方が良い

後述する創作本の中でも似たようなことが述べられていますが、読者を「わっ」と驚かせて物語の中に引き込むのは早ければ早いほど良いです

理想を言うなら、開始3ページでは既に世界観に引き込んでしまいたいでしょう。

 

現代社会は何事もスピーディーで、動画は倍速再生で観られますし、広告が挟まれば待ちきれずに消されてしまうこともありますし、ちょっと見てつまらなければ別の面白そうなことへと読者は流れていってしまいます。

 

それを引き留めるためには、「起」の4分の1を使って事件を起こすのではなく、できる限り早い段階で読者を引き込む工夫が必要になるのです。

 

人類には無意識に「面白い」と感じる物語の型がある

実は人類には、古来より魅力的に感じられる物語の「型」があるのです。

こういう型ではない

不思議なことに、言葉も時代も地域も違うはずの複数の宗教で語り継がれる神話には、共通した構造があります。

 

この構造を解き明かしたのがジョーゼフ・キャンベルという人物で、『千の顔を持つ英雄』という本で詳しく解説されています。

 

ジョーゼフ・キャンベルが「ヒーローズ・ジャーニー」と呼んだこの神話の構造は、

“主人公が非日常に巻き込まれ、迷いながらも賢者に導かれ戻れない冒険へと踏み出し、様々な困難を経て最後の敵と戦い、報酬を得て元の世界に帰る”

というようなストーリーになっています。

(※説明のために大幅に省略しています)

 

ヒーローズ・ジャーニー、日本語では「行きて帰りし物語」と呼ばれることもありますが、この物語の型を利用した有名な作品はいくつもあり、たとえば『スター・ウォーズ』『指輪物語』『千と千尋の神隠し』などがそうです。

どれも大人気作品となっていますよね。

 

この型を利用してプロットを立てるのも、面白い小説を書くコツのひとつです。

 

文章力の鍛え方~一朝一夕では成長できない

魅力的なキャラクター、魅力的なストーリーが揃えばそれだけで80点以上の面白い小説が出来上がります。

けれど最後の仕上げとして、小説をより魅力的に見せるために必要となるのが文章力です。

 

キャラクターの作り方、プロットの立て方は創作本を読めば勉強できることも多いです。

しかし、文章力だけはそうはいきません。

 

文章力を鍛えるにはとても時間がかかります。

どうすれば文章力を鍛えることができるのでしょうか?

 

たくさん読んでたくさん書くことが大事

文章力を鍛えるためのたったひとつの方法は、たくさん読んでたくさん書くこと、ただそれだけです。

シンプルですが、これがとても大変なのですよね。

 

質の良い文章をたくさんインプットし、勇気を出してアウトプットを繰り返し、自分の書いた文章を何度も推敲することでようやく文章力が磨かれていきます。

 

可能ならば、他人に読んでもらって批評やアドバイスをしてもらうのも良いでしょう。

Twitterなどでは、作家志望者同士が互いの小説の読み合いを募集していることがよくあります。

 

作家志望者同士で交流し、情報交換や読み合いをすることで技術を高めていくこともできるでしょう。

スパイダーマンにはならないように

 

文章力を鍛えたい時にやってはいけないこと

文章力を鍛えるには、質の良いインプットが欠かせません。

ここで注意しなければならないのが、質の悪いインプットをできる限り避けることです。

 

それってどういうことなのでしょうか?

 

厳しい話になりますが、プロが書いた文章ではない、投稿サイトなどの文章は極力読まないようにする必要があります。

 

商業小説では、書き手はプロの作家さんですし、校正や校閲、編集の手も入って間違った日本語は修正されて世に出されています。

しかし投稿サイトなどの素人の作品は校正などが行われておらず、間違った日本語が使われていることも多いです。

 

ストーリーが面白くてついつい読んでしまう作品もありますが、「あ、ここ日本語間違えているな」と最初は違和感を持てていたものが、いつの間にか見慣れてしまって自分も似たような言い回しをしてしまうようになってしまいます

 

文章力を鍛えたい時には、質の悪いインプットはしてはならないのです。

 

作家志望者の必読書~ みんなは既に読んでいる

本気で面白い小説を書きたいと思っている人なら必ず読んでいると言ってもいいほど有名な創作本がいくつかあります。

 

特に小説を出版したいという人にとっては、ライバルが学んで身につけている技術は、自分も身につけておく必要があります

その技術を知った上で意図的に破るという創作法もありますが、守破離という言葉があるように、最初はきちんとした創作論を学ぶことが大切です。

 

有名な3冊の本を紹介しましょう。

 

最初に紹介するのは、この本です。

 

ディーン・R・クーンツ著『ベストセラー小説の書き方』

 

『ベストセラー小説の書き方』ではキャラクターの作り方プロットの立て方など小説を書く上で必要になる技術をまんべんなく解説してくれています。

広く浅くになってしまっているという批判もありますが、基礎的な本として読んでいる人は多いです。

キャラクターを作る上でどのような項目を設定したら良いかについても充分に解説されています。

ちなみにこの本では、「タイトルも35個考える」と記載していました。

 

次に紹介するのは、特に小説家としてデビューしたい人におすすめの一冊です。

 

大沢 在昌著『小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない』

 

『小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない』では、作家になるために必要な技術と作家としてデビューした後の心構えまでを解説しています。

 

最後に紹介するのは、「行きて帰りし物語」を日本語で解説した本です。

 

大塚 英志著『ストーリーメーカー 創作のための物語論』

 

『ストーリーメーカー 創作のための物語論』では、ジョーゼフ・キャンベルの『千の顔を持つ英雄』で解説されている「ヒーローズ・ジャーニー」についても解説されています。

『千の顔を持つ英雄』も和訳されていますが、翻訳本よりも元々日本語で書かれた本の方が読みやすいことと、ヒーローズ・ジャーニー以外の物語の構造についても解説されていることから、『ストーリーメーカー 創作のための物語論』がおすすめです。

 

こういった本を読むことによって、作品がより面白くなることでしょう。


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