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読んでもらえる本にするために【原稿の作り方】

ここでは、原稿を作っていくにあたって、「見やすく」そして「読みやすく」… そういった文章を構築するために「知っておくと便利かも」ということをご紹介していきます。
文字のサイズ等に関しては、「文字量と文字のサイズの密なる関係」をご覧いただくか、「各種テンプレート」にて、素材をご用意しておりますので、ダウンロードして、一度プリントしてご確認ください。

1

誰に読んでほしいかを想像する

文章というのは、読む人によって受け取り方が変わることがよくあります。ですので、メインのターゲットに合わせた文章を構築することが大切です。つまり、「読む人に合わせる」ということです。
大手の食品メーカー様や菓子メーカー様などが新商品を企画するとき、「〇〇に住んでいる、〇〇歳の〇〇性の〇〇さん。職業は〇〇〇で毎日の帰宅時間は〇〇時頃で、日々のお買い物は週末にまとめて………」みたいに、細かく「主人公」を設定するようです。
ここまで細かく設定することはないと思いますが、大まかな設定はしておいた方がいいかと思います。
例えば、ビジネススキル関連の本を書くとします。その対象は、新入社員に向けたものでしょうか?中堅社員でしょか?役職クラスでしょうか?経営者でしょうか?大企業でしょうか?
中小企業でしょうか?……などなどによって、使う言葉や用語が変わってくると思います。
そういうことを一つひとつ想像しながら組み立てていくと、おのずとそれに合わせた内容になっていくものです。

2

結論を決める

結論とは、その本の結末ではなく、本を読んだその後どういう行動をしてほしいのか?どういう影響を与えたいのか?どういう感情を抱いてほしいのか……などの、「本を読んだその後」のことです。
それを決めることで、執筆していく上での「迷い」が少なくなってきます。あとの作業が楽なものになってきます。

3

カギカッコを有効活用

カギカッコは、文章の中の会話の部分やセリフなどの使うものですが、実は強調したい部分やふくみを持たせたいに使うと有効的です。
例えば、【いわゆる「〇〇〇」】などや、上の文章の中の「主人公」などのように使うと効果的なのです。
やみくもに使えばいいというわけではありませんが、要所要所で使うと強調したい部分を際立てることができます。

4

二重否定はできるだけ使わない

例えば、「彼は知らないわけではない。」という文章があったとします。何かわかりづらい文章です。こういう文章を「二重否定」と言います。こういう使い方はできるだけしないほうがいいです。
「彼は知らないわけではない。」ということはすなわち「彼は知っている。」ということです。こっちのほうがわかりやすいし、すっきりします。
できるだけ「二重否定」は使わないようにしたほうがいい文章になります。ただ、構成上リアリティを考えた場合、二重否定を使った方がいい場合は、その限りではありません。

5

写真や図版を適度に配置

活字離れが進んでいる近年においては、文字だけがズラリと並んでいる本は、小説や句集・詩集などでもない限り、要所要所でビジュアル性のあるパーツ類(写真や図版)を配置するほうが読みやすい印象を受けます。

それに、ビジュアルパーツが配置されているページは、ページ全体にメリハリが出ます。
ただし、あまりにも使いすぎると、いわゆる「うるさい」ページになるのでご注意を。

6

日本語文章の基本「てにをは」を正しく使う

「てにをは」とは日本語の助詞の意味を表す総称です。文章の意図を正しく伝えるために必須です。

例えば…
「あなたを見た。」と「あなたは見た。」では、一字違うだけなのに意味が全然違うものになります。
こういう主体が変わってしまうパターンもあれば、ポジティブ・ネガティブが逆転してしまう「てにをは」のパターンもあります。

例えば…
「このお店がいいです。」と「このお店でいいです。」では、前者はどちらかというと積極的な印象を、後者はどちらかというと消極的な印象を受けます。

このように、言葉を繋ぐたった一文字を変えてしまうだけで意味が変わってしまうという、ある意味便利で、ある意味恐ろしいものです。

その「てにをは」の種類はどれくらいあるのでしょうか?
▼「てにをは 表」

種類役割語例
格助詞名詞や代名詞に付けることで、言葉の関係性を示す役割を果たす。が、の、を、に、へ、と、で、や、から、より
接続助詞前後の文を繋ぐ役割を果たす。順接・逆接とあって、仮定のことと確定ことがある。ば、と、て、でし、が、ので、のに、ても、でも、たり、だり、なり、つつ、けれど、ながら、ものの、ところで
副助詞いろんな言葉につけることで、強調したり、限定的にしたりする役割を果たすは、も、が、こそ、さえ、でも、しか、など、まで、だけ、ほど、きり、なり、やら、だの、ずつ、とか、すら、だって、ばかり、なんて
終助詞文の終わりにつけて、心情的なことを表現する役割を果たすな、や、よ、わ、ぞ、ぜ、か、の、ね、もの、かしら、ものか

● 格助詞

格助詞とは名詞や代名詞に付けることで、言葉の関係性を示す役割を果たしています。
例えば…

  • 先輩のボール
  • 花が咲く

などなど

● 接続助詞

接続助詞とは、前後の文を繋ぐ役割を果たしています。順接・逆接とあって、仮定のことと確定こととあります。
例えば…

  • 明日が雪なら、鉄道は止まる(仮定の順接)
  • 明日が晴れでも、鉄道は止まる(仮定の逆接)
  • 今日は雨なので、路上販売はできない(確定の順接)
  • 今日は雨だが、街頭に立つ(確定の逆接)

などなど

● 副助詞

副助詞は、いろんな言葉につけることで、強調したり、限定的にしたりする役割を果たしています。
例えば…

  • 和食こそヘルシー(強調させている)
  • 和食はヘルシー(題目的役割)
  • 和食もヘルシー(その他のものと同じく的役割)
  • 和食こそヘルシー(限定させている)
  • 和食くらいヘルシー(程度を示している)

などなど

● 終助詞

終助詞とは、文の終わりにつけて、心情的なことを表現する役割を果たしています。
例えば…

  • ホントにこれでいいのかな(なの部分)
  • そんなことないさ(さの部分)

などなど

「てにをは」の使い方を間違えると、全然違う意味にとらえられることがあるので、正しく使うようにしましょう。

ちなみに私は「てにをは」を正しく使えているのだろうか?

7

「おいしい」を「おいしい」という言葉は使わずに…
オシャレにレトリック

レトリックとは「巧みな表現法」と意味です。比喩も同じものです。
例えば「うれしい」「悲しい」「淋しい」など形のないものを表現する時、その度合いはわかりづらいものです。そういう場合に、別の表現を使ってその意味を伝えようということです。
それだけではありません。複雑にしすぎて全然伝わらない場合に、別の表現でシンプルに伝えようという場合にも使えます。

ただ、使い方を間違えると、結構な惨事が待っています。

レトリックを使う場合は、書き手と読み手が共通に認識できなければなりません。

例えば…
「隣の人が顔を真っ赤にして怒っている」ことを伝えるために「隣の人がまるでビーツのようだ」とした場合、これは形のことを言っているのか、色のことを言っているのかよくわからないし、そもそもビーツがどういうものかわかっていないと何を言っているのかがわからないということになります。

これなら、「赤鬼のように」とかいう表現のほうが認識しやすいのはお分かりになるかと思います。

別の例を挙げると…
顔が顎に向かって細長くなり、太い眉毛でぱっちりした目と、きれいな鼻筋…薄めの唇であごのほくろがチャームポイントでかわいらしい…と表現しても、モンタージュ写真を作るわけではないので、いまいちイメージが湧きません。
そこで、「〇〇〇〇さんのような顔立ち」としたほうが伝わるかもしれません。
しかしこの場合も、「〇〇〇〇さん」を知らないと伝わらないですし、「〇〇〇〇さん」をかわいらしいと思っていないと、かわいらしさは伝わらない可能性もあります。

レトリックは、おしゃれな使い方にもなるし、間違えると何が言いたいかさっぱりわからないというものになります。

そして、多用しすぎると「うるさく」なるので、使い過ぎにはご用心。

レトリックの悪い使い方(やめましょうね!)

ほかにも、たくさんのテクニックがあるますが、ここに記載の内容がある程度使えていれば、ある程度読みやすく、読み応えのある一冊に仕上がると思います。
ですが、それに囚われすぎると、それはまた面白くないものになりかねないので、必要以上に意識することをせずに、文章を組み立ててください。
自費出版なのですから、そこは自由であることも大切です。

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