本や冊子にどんなフォントが使われているかで、読みやすさや印象はがらりと変わります。

白地に黒文字の冊子では、オフセットでもオンデマンドでも印刷の見た目はほとんど変わりません。本文のクオリティを左右するのはフォント選びにかかっていると言ってもいいでしょう。

 
この記事では、フォントの基本的な種類を紹介しつつ、学校の教科書や学習塾のテキストなど教育現場で使われる教材に最適なフォント（書体）について考えていきます。

ゴシック体

ゴシック体は文字の線幅が均一な書体の総称です。

WindowsにプリインストールされているMSゴシックや、Macの標準フォントのヒラギノ角ゴシック、小塚ゴシックなど、様々なゴシック体があります。

 
読みやすく、どんなデザインとも合わせやすいフォントです。ウェブサイトの表示フォントも多くがゴシック体です。
小さいサイズでも読みやすいので、本文は明朝体にして、注釈にゴシック体が使われることもあります。

広告やパンフレットなどで活躍するのは、ゴシック体です。

明朝体

明朝体は横線が細く、メリハリがあり、ハネやはらいなど、筆で書いたような書体です。

 
学術論文は一般的に明朝体で書かれています。

数字の「1」と英小文字の「l （エル）」などはゴシック体に比べ、形にはっきり違いが出るので、数学や化学のテキストで活躍します。
国語・古文・英語も字形のわかりやすい明朝体がいいでしょう。

 
他にも、テキストや教科書、テスト問題にも明朝体は採用され、教材には明朝体が主流といえます。
和風のデザインにも使われ、人気があります。

教科書体

教科書体は、筆書きの楷書体に近く、明朝体のようにハネやはらいがありますが、線の太さの強弱は弱く、視力の弱い人にも見やすく読みやすい書体です。
その名の通り、教科書に使われる書体です。

 
学校の教科書はもちろん、学習塾や予備校の教材にもおすすめです。読み手に優しいテキストになるでしょう。
 

UDデジタル教科書体

画像のUDデジタル教科書体はモリサワが10年をかけて開発した、ゴシック体と明朝体のそれぞれの長所が取り入れられたフォントです。
UDとは「Universal Design ユニバーサルデザイン」のことです。

 
線の太さが均一で、書き順もわかりやすいUDデジタル教科書体は、生徒や教員からも「読みやすい」「わかりやすい」と高く評価され、試験問題や授業の資料などに採用されています。

「読みやすい＝刺激が少なく、読むスピードが上がる」と学習意欲、正答率の向上が期待されています。

 
また、識字障害や老眼の方にも「これなら読める」「目が疲れない」と、判読性、可読性の高さが幅広いシーンで受け入れられています。

 
UDデジタル教科書体は、Windows10に標準インストールされています。Wordやグラフィックソフトでの教材作成で、その効果を確かめてみてみましょう。

参考記事：遠くても小さくても読みやすい！ユニバーサルデザインフォント（UDフォント）の特徴と用途

有料フォントを買う、フリーフォントをダウンロードする

教科書体の多くは有料フォントか、フリーフォントをダウンロードして使うことになります。

ゴシック体や明朝体、教科書体以外にも、タイトル用に行書体やポップな書体など、アクセントにもなるフォントを取り入れれば、表現の幅が広がります。

 
パソコンのOSやバージョンによって、標準でインストールされているフォントは異なりますが、プレーンなゴシック体と明朝体が1種類ずつ以上は入っています。
mac OSには多数のフォントが組み込まれていて、教科書体も使えます。 （macOS Sierraに組み込まれているフォント一覧）

 
有料フォントはモリサワやフォントワークスが有名で、一般書籍や広告、雑誌などの商業デザインで広く使われています。

 
有料フォントは使用料や販売価格がなかなか高額なので、フリーで使えるフォントをダウンロードして使ってみるのもおすすめです。

商用可で完全無料！2018年公開のフリーフォント素材132個総まとめ

フォントダス | 無料で商用可能なフリーフォントが探せる

利用規約は配布されるフォント、制作者によって異なります。使用許諾や商用利用についてなど、ライセンスをよく読んでから使用しましょう。

 

フォント関連の記事

印刷して読みやすい文字（フォント）のサイズは？【本・冊子・テキスト】

---

「こんな本にはどんな用紙がいい？」「予算に合った仕様にしたい」など冊子作りのご相談は

電話連絡先：06-6753-9955 / 法人専用窓口：0120-264-233
（平日10：00～18：00）

またはお問合わせフォームからお気軽にお問合わせください。

印刷製本の専門スタッフがお答えしております。