表紙によく用いられる色上質紙。上品なパステルカラーが美しく、コストパフォーマンスにも優れた人気の色紙です。

イシダ印刷でも29色から表紙、本文にお選びいただけます（取り扱い用紙一覧）。

 

色上質紙の色味は見てその違いが分かるので「どれにしたらいいのか分からない」ということになりませんが、見た目では分からないのが厚みです。

 

色上質紙の厚み

 

色上質紙の厚みには何種類かあり、厚口といっても主要なものに「中厚口」「厚口」「特厚口」「最厚口」などがあります。

 

この記事では、表紙に使われる「特厚口」「最厚口」について、厚みを比較していきます。

 

特厚口より最厚口の方が厚い

さて、結論からいえば、色上質紙「最厚口」の方が厚みがあります。

 

色上質紙 特厚口　＜　最厚口

 

特厚口は厚みが約0.15mm、最厚口は厚み約0.18mmです。ちなみに中厚口は約0.09mm、厚口は約0.11mmの厚みです。

 

ですが、用語の語感としては「特厚」の方が厚いように感じられるのではないでしょうか。理由として真っ先に思い浮かぶのはお寿司です。

 

お寿司 並　＜　上　＜　特上

 

一般的に、お寿司の握りには上記のようなランクがあるのはよく知られていることですが、この「特」は最上級的な意味で用いられていると思われます。

 

つまり「特上＝最上」であり、「最上」をメニューに加える必要はないのです。これはとても分かりやすい序列です。ただ、お寿司が分かっても色上質紙が分かるようにはなりません。

 

次の場合はどうでしょうか。

お肉 並　＜　上　＜　（特上）　＜　（最上）（極上・特選）

 

スーパーの売り場などで見かけるお肉のランクは、「特上」と「最上」がともに用いられることがありますが、「特上＜最上」の場合もあれば「最上＜特上」の場合もあったりで、順位づけは売り場によってまちまちです。

さらに「極上」や「特選」なるものまで存在するとなると、比較のむずかしさは跳ね上がります。

 

「最上」「特上」の意味

ここで、Weblio『デジタル大辞泉』による言葉の定義を確認してみましょう。

 

さいじょう【最上】
② いちばんすぐれていること。この上ないこと。「最上の品質」「最上の喜び」

とくじょう【特上】
特別に上等であること。また、その物。「特上の肉」

 

「いちばんすぐれていること」と「特別に上等であること」の比較になるわけですが、これだけでは何ともいえません。続いて接頭語としての「最／特」を確認します。

 

さい【最】
③ ［接頭］名詞に付いて、もっとも、この上ない、の意を表す。
　「業界でも最大手の会社」「最前線」「最先端」「最優秀選手」

とく【特】
① 他と異なってそれ一つだけのさま。それだけ目立って著しいさま。
　「特異・特産・特殊・特色・特別・特有／奇特・独特」
② 特別。
　「特価・特急・特許・特権・特集・特注・特売」

これらの語釈からひとまず以下のように理解することができるのではないでしょうか。

 

「最／最上」は集団内でもっとも優れている（相対的な評価軸）。
「特／特上」は集団外でひとつ目立っている（基準外での評価）。

 

つまり、「最なるもの」と「特なるもの」は双方優れて目立っているが、そもそも同じ土俵には上がっていないため、二者を単純に比較することはできないのです。この両雄を並び立たせてしまった「お肉」ないし「用紙」の序列は、すこし分かりにくいのかもしれません。

 

ちなみに色上質紙は「最厚口」の上に「超厚口」もありますが、実用的な厚さではないのでここでは言及しておりません。「特別厚い」と「最も厚い」と「超厚い」、さていちばん厚いのはどれでしょうか。

 

とにかく色上質紙では、

 

色上質紙 特厚口　＜　最厚口

 

ということになっています。特厚口と最厚口の比較では「もっとも厚い」という「最」の方の定義は外していないので覚えやすいと思います。

 

イシダ印刷の冊子印刷のお見積もり＆ご注文では、冊子の表紙用紙に「最厚口」「特厚口」、本文用紙に「中厚口」「厚口」「特厚口」を指定することができます。

 

表紙や本文にどちらの厚さが適しているかなど、用紙選びのご質問はスタッフまでお気軽にお問い合わせください。

 

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