PowerPointで冊子印刷用データを作るときの注意点
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。
「社内報やカタログ、パンフレットをPowerPointでデザインして、そのまま冊子印刷したい!」というごケースが増えています。手軽で使いやすいPowerPointですが、もともとプレゼン用のスライド作成ソフトであるため、そのままでは印刷用データとして不十分な点も多く注意が必要です。
この記事では、「PowerPoint 印刷向け注意点」として、冊子印刷用データを作るときに絶対に押さえておきたいポイントと、トラブルを防ぐための具体的な対策を初心者向けに解説します。
目次
PowerPointは「プレゼン用」、印刷には工夫が必要
PowerPointは、画面表示やプレゼンテーション向けに最適化されたソフトです。
そのため、解像度や色、サイズ設定などが印刷用とは異なる点があり、次のようなトラブルがよく起こります:
- ページサイズがA4やA5など仕上がりサイズと違う
- 画像が粗く印刷がぼやける
- 色がモニターと全然違う
- PDFにしたら文字やレイアウトがずれる
こうした問題は、事前の設定とデータ作成の工夫で防ぐことができます。
冊子印刷用データを作る前にチェックしたい基本設定
- スライドサイズを「仕上がりサイズ」に設定する
初期設定の「16:9」のままでは、A4やB5など印刷用サイズと異なり、拡大・縮小でレイアウトが崩れます。まず、「ファイル」から「ページ設定」をクリック、もしくは「デザイン」タブの右側にある 「[スライドのサイズ」をクリックして「ページ設定」をクリックします。
以下のような画面が出ますが、注意したいのがA4を選択しても幅と高さがA4になっていないことです。A4サイズ「210×297mm」に四方3mm塗り足しがついたサイズ「303×216mm」に設定します。
- カラーモードをCMYKに設定することができないので、色選びに注意
PowerPointはRGBカラーモードです。印刷用のCMYKとは色の再現範囲が異なるため、鮮やかすぎる色や蛍光色は印刷時にくすむことがあります。カラーを設定するときに擬似的にCMYKで色を作ることはできるので、紙面で使用する色を作る際はCMYKで作ってみましょう。
厳密な色合わせが必要な場合は、IllustratorなどCMYK対応ソフトの使用をおすすめします。
余白・裁ち落としを考慮したレイアウトにする
PowerPointには「塗り足し(裁ち落とし)」の概念がありません。そのためあらかじめ「1」で四方3mm伸ばしたサイズに設定しているため、外側の3mmは実際には見えなくなることを想定してオブジェクトを配置しましょう。背景色や、紙の端に配置したい写真などは3mmの塗り足しまで伸ばし、そのほかの要素は仕上がりラインより5mm以上内側に置くと安心です。
画像は高解像度・リンク切れ防止がポイント
モニター用の画像(72dpiなど)は印刷すると粗くなります。写真やイラストは300dpi以上のものを使用しましょう。また、 「挿入」→「画像」から配置し、ファイルと一緒に管理することが重要です。
冊子印刷に向けたページ管理のポイント
冊子にする場合は、偶数ページ・奇数ページの位置関係や、綴じ方向(左綴じ/右綴じ)を意識してページを構成しましょう。見開きは、ノド(綴じてある方向)は紙の端が見えなくなるため、重要な要素は中心から15mm以上離す必要があります。右開きの冊子の場合、左ページは右側の余白を広めに、右ページは左側の余白を広めにとる必要があります。
また、ページ番号やヘッダー・フッターは左右対称の位置に配置すると綺麗です。
印刷入稿前の最終チェックリスト(PDF化)
PowerPointデータのままでは入稿できないことが多く、PDF形式への変換が必須です。
PDF化の際は、次の点を確認してください:
- ページサイズが正しいか
- フォントが埋め込まれているか
- 画像が高解像度であるか
- 塗り足しが考慮されているか
- ページ順・ページ数が正しいか
PowerPointは使いやすく、デザイン初心者にも扱いやすいソフトですが、印刷用には注意すべきポイントが多くあります。
特に「サイズ」「色」「画像解像度」「フォント」「塗り足し」などを意識することで、見た目通りの仕上がりに近づけることができます。
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