「印刷データは350dpiで作ってください」と言われたことはありませんか？
Web用画像は72dpiが一般的なので、突然「350dpi」と聞くと少し戸惑いますよね。

この記事では、「解像度350dpi」とは何か印刷の仕組みとともにわかりやすく解説します。

解像度（dpi）とは？

dpi（dots per inch）は、1インチの中にどれだけのドット（点）があるかを表す単位です。印刷では、この点の密度が高いほど、より滑らかで精細な印刷になります。

たとえば、同じサイズの写真でも、

• 72dpi … Web表示用。粗めで軽い。
• 300dpi … 写真印刷や商業印刷の標準。
• 350dpi … より高精細な印刷や、美術書・写真集・高品質冊子向け。

350dpiはなぜ推奨されるのか？

印刷会社が「350dpiで」と指定する理由は、網点印刷の再現性にあります。

印刷機は、インクを「網点（あみてん）」という小さな点の集合で表現しています。この網点は通常175線（lpi）前後で出力されますが、その倍の解像度（＝350dpi）を用意することで、網点に対して充分な情報量を持たせ、にじみやギザギザを防ぐことができるのです。

300dpiと350dpi、どちらがいいの？

印刷会社では、推奨300dpi以上、と言うこともあります。300dpiあれば十分なのか、350dpi以上あったほうがいいのか。結論から言うと、350dpiあった方がグラデーションや細部の再現性が向上する場合がありますが、肉眼ではあまり分からないレベルです。アート紙やコート紙で写真や絵画を大きく印刷する際は、350dpiあると細部まで綺麗に見えます。

解像度を上げれば上げるほどいいのか？

しかし、解像度は高ければ高いほどいいというわけではありません。
600dpiなどに設定すると、ファイル容量が膨大になり、パソコンの動作が重くなったり、印刷処理に時間がかかることがあります。また、人間の目が識別できる印刷の細かさはおよそ300〜350dpi程度なので、それ以上の解像度にしても、見た目の差はほとんどありません。

実際の印刷で見た目は変わる？

300dpiと350dpiを並べて比較すると、肉眼で判別できる差はほとんどありません。

ただし、下記のようなケースでは差が出る場合があります、

• 細かい模様・繊細なグラデーション
• 小さな文字や精密なイラスト
• 高光沢紙（コート紙・アート紙）での印刷

上質紙やマット紙など、インクがやや滲む紙では300dpiでも十分美しい仕上がりになります。

300dpiは十分実用的な基準、 350dpiはより安全で高精細な基準です。印刷所が「350dpi推奨」としている場合は、それに合わせるのが確実です。そうでない場合は、用途に応じて300dpiでも問題ありません。

 

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