冊子印刷の本文用紙を「紙の厚さ」から選ぶ!ページ数、用途別に解説
冊子印刷で大事な紙選び。
質感、価格それぞれで選ぶポイントをご紹介してきました。
今回は「厚さ」を基準に印刷製本に使う用紙の選び方です。
目次
本文に適した用紙の厚さは?
本文に適している用紙の厚さは、
- 上質紙 55K~90K
- コート紙 90K~110K
パンフレットやカタログ、テキスト、写真集、広報誌などは、色々な厚さの紙を使っていますが、大体この範囲(用紙種類のページにリンク)に収まっています。
【 イシダ印刷の取り扱い用紙の厚さ 一例 】
この表で注意したいのは、同じ90Kでも紙の種類によって厚さが違うところです。90Kの「K」という数字は重さを表現しているので、数値は同じでも密度の高い紙ほど薄いのです。
コート紙の90Kは一見分厚そうですが、指で触ってみると、上質紙の55K~70Kくらいの感覚です。
「K」とはKgを意味しており、全紙100枚分の重さを表しています。
紙を裁断する前の、一番大きい基本サイズのことを「全紙」といいますが、この全紙も四六判、菊判など複数の異なる大きさがあり、当然ながら重さも変わります。
菊判の方が四六判より小さいので、同じ厚さの紙でも四六判なら90K、菊判なら62.5Kと表記されます。
ややこしく思えますが、紙の一枚の厚さを正確に計測できないので、合理的な表記といえます。
イシダ印刷の用紙の厚さの表記は「四六版換算」です。
他社様の料金表や、用紙見本などで、菊判の厚さ表記と混同しないようご注意ください。
ページ数の多い、分厚い冊子には薄くて軽い本文用紙を
冊子の紙選びは好みによって様々ですが、論文集や追悼集、自費出版の小説や随筆集など、分厚い読み物には上質紙か書籍用紙の薄いタイプの用紙を使用しましょう。
ページ数の多い冊子は、紙選びで本の厚みが大きく変化するので、背幅計算ツール(無線綴じ用)を使ってシミュレーションしましょう。
実際の本の厚さをシミュレーション
イシダ印刷で製本できる最大ページ数、無線綴じ800ページの場合、表紙をコート135Kにして、本文を一番薄くて軽い上質紙55Kにすると、本の厚さ(背幅)は33.9mmです。
(コート紙は比較的重いので、文字が中心の冊子には上質紙か書籍用紙を選ぶと良いでしょう。)
黒ベタや濃い色の図版が多い場合、55Kだと裏移りが気になる、という場合は70Kにします。
そうすると、背幅は40.3mmになり、7mm分厚くなります。一冊で7mmでも、100冊に重ねれば700mmです。
保管場所、輸送手段によっては、この厚みの差が徐々に重荷になることも……。
「分厚い冊子には、可能な限り薄い紙」と覚えておきましょう。
書き込みをする冊子の本文用紙は少し厚めに
楽譜や教科書、講習会のテキストなど、鉛筆やペンでの書き込みが想定される冊子は、上質紙や書籍用紙の中でも厚いものを選びましょう。
厚さ90Kほどあれば十分ですが、ページ数の少ない楽譜などは、もう少し厚い110Kを使うと、譜面台に立てた時に安定感があります。
写真集、作品集、ページ数の少ないパンフレット・カタログの本文用紙は厚めに
紙の厚さは、厚みが増すほど価格が上がりますが、重厚感、高級感を演出しやすいメリットがあります。
特にコート紙は、厚さによって雰囲気ががらりと変わります。
薄いものはチラシや週刊誌、厚いものは写真集や画集、ラグジュアリーなパンフレットに適しています。
よほどページ数の多いものでないかぎり、重厚な雰囲気を持たせたい冊子には110K以上を使用するといいでしょう。
表紙の用紙選びの記事まとめ
表紙の用紙選びは、本文とは違った基準で選ぶことになります。
選ぶポイント、用紙ごとの価格シミュレーションをそれぞれ記事にしました。
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