【入稿データ作成の基本】断裁ズレによる文字切れを防止する「余白」の目安と設定方法
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。

デザインが完成し、画面上では完璧に見えていても、実際に印刷・製本されて手元に届いた冊子を見たら「ページの端にある文字がギリギリで切れそう……」「デザインのバランスが外側に寄りすぎていて格好悪い……」と感じたことはありませんか?
これは、印刷の最終工程である「断裁(紙を注文サイズに切りそろえる作業)」の特性を考慮せずにデータを作ってしまったことが原因です。
今回は、大切な入稿データのデザインや文字を守るために、断裁ズレを想定した正しい防止策と、適切な余白の設定方法について詳しく解説します。
なぜ「断裁ズレ」は起きてしまうのか?
印刷所では、注文されたサイズよりも一回り大きな紙に印刷し、最後に「断裁機」と呼ばれる巨大なカッターで周囲を一気に切り落として仕上げます。
このとき、印刷会社がどんなに精密に機械を調整していても、以下のような物理的な要因によって、どうしても最大で1〜2mm程度のわずかなズレ(断裁ズレ)が生じることがあります。

- 紙がインクを吸うことによるわずかな伸縮
- 何百枚もの紙を重ねて一気に切る際の、刃の圧力によるわずかなズレ
- 製本時に紙を折る際のミリ単位の誤差
「1〜2mmのズレは必ず起こるもの」としてあらかじめ入稿データを作っておくことが、失敗しない冊子づくりの鉄則です。
文字切れを防止する「安全地帯(内側余白)」の設定
断裁ズレが起きたときに、最も避けたいのが「読ませたい文字や重要なロゴが切れてしまうこと」です。これを防ぐために、データの端から一定の余白を確保する必要があります。
この余白エリアのことを、DTPの世界では「安全地帯」や「セーフティゾーン」と呼びます。
【文字切れ防止の余白目安】
仕上がり線(カットされる位置)から、さらに「3mm以上(できれば5mm以上)」の内側に文字を配置する。
- 3mmの余白: 万が一、外側に2mm断裁がズレたとしても、文字の前に1mmのスペースが残るため、文字自体が切れる最悪の事態を防止できます。
- 5mmの余白: 視覚的にもページの端に程よい余白が生まれ、窮屈さのない美しいレイアウトに仕上がります。特に小説の本文や、ビジネス書類の重要な文字は5mm以上の余白を意識するのがおすすめです。
レイアウトはさらに大きく余白を作るときれい
3~5mmというのは、断裁で切れない最低限の余白です。実際のレイアウトは、文字や大事なロゴなどはさらに10mm以上内側に配置すると綺麗です。
余白も1~2mm断裁でズレる可能性があるということを考慮して、大きめに余白をとると断裁ズレが目立ちません。
例えば四方に4mmの余白をとって色を敷いたデザインだと、断裁ズレが少々目立ちやすくなります。
さらに、ノド側(冊子の綴じ目側)は、製本方法(無線綴じが特に注意)やページ数によって紙の端が吸い込まれて見えにくくなるため、さらに広めの余白(15mm〜20mm程度)を取る必要があります。
まとめ
入稿データに適切な余白を設けることは、文字切れなど印刷トラブルを防ぐだけでなく、本の仕上がりを美しくします。
イシダ印刷では、お預かりした入稿データに明らかな文字切れのリスクや塗り足し不足がある場合、事前に確認のご連絡を差し上げるなど、丁寧なデータチェックを行っています。「この余白の取り方で綺麗に製本できるかな?」と不安な方は、ぜひお気軽にスタッフまでご相談ください。
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