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PDF/X-1a徹底解説|印刷用PDFの基準・X-4との違い・安全なデザインのポイント

本年度の卒業アルバムのご依頼について、予定する冊数を超えましたので停止しています。
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。

印刷用データをPDFとして入稿する際、多くの印刷会社が推奨しているのが「PDF/X」規格です。その中でも特に利用されるのが PDF/X-1a。この記事では、PDF/X-1aの基準、PDF/X-4との違い、デザイン段階で気をつけるべき点を、分かりやすく整理して解説します。

PDF/X-1aとは?

PDF/X-1a は 商業印刷における安全性と再現性を担保するためのISO規格です。
印刷でトラブルが起きやすい要素(RGB・透明効果・未埋め込みフォントなど)を禁止し、できるだけ「確定データ」として扱えるように制限を加えています。

Illustrator、Photoshop、InDesignなどAdobeのソフトで設定できます。

PDF/X-1a

以下が X-1a の重要な要件です

  1. カラーは CMYK または特色(スポットカラー)のみ
    RGB・Lab は不可。強制的に CMYK に変換されます。「出力」の欄を見ると、作業用CMYKに変換される設定になっています。
    X-1a_1
  2. フォントはすべて埋め込み必須
    未埋め込みフォントはエラー。
  3. 透明効果(ドロップシャドウ、乗算、光彩など)は全面禁止
    書き出し時に自動で透明分割(フラット化)される。
    複雑な透明を使うと“白フチ”や“線が欠ける”トラブルが発生しやすい。
  4. 画像解像度とリンクが保証された状態で含まれる
    低解像度画像(72dpiなど)はそのまま低解像度のまま。
  5. トンボ・塗り足し情報を含められる
    印刷用データとして必要な外側の情報も維持。
    Illustratorで書き出す際、デフォルトではトンボと塗りたしがついていません。
    X-1a_5-1
    イシダ印刷に入稿する場合はトンボは不要なので、「裁ち落とし」だけチェックを入れて四方3mmの塗りたしをつけます。
    X-1a_5-2
  6. 印刷時の再現性を保証できない要素は全て禁止
    OCG(可変表示レイヤー)やアクション、動画などは不可。

PDF/X-1aは「最も安全で古い環境でも確実に印刷できるPDF」という位置づけです。

PDF/X-1a と PDF/X-4 の違い

もう一つよく使われる規格が PDF/X-4です。もっと新しい印刷ワークフロー向けの規格で、X-1aとはルールが大きく異なります。

PDF/X-4 の特徴

  • CMYK + RGB + Lab が混在可能
  • 透明効果を保持できる(フラット化しない)
  • ICCプロファイルを正しく扱う
  • 近年のRIP(印刷書き出し装置)の前提で作られた規格

X-1a と X-4 の違いまとめ

項目 PDF/X-1a PDF/X-4
RGB画像 ×(禁止) ○(使用可)
透明効果 ×(フラット化される) ○(生のまま保持)
ICCプロファイル 埋め込み可だが限定的 ○(プロファイル完全保持)
出力の安定性 非常に高い 現代環境では高い
オススメ用途 安全重視/古い環境対応 高品質・色精度重視

印刷事故が怖いなら PDF/X-1a。
色の再現性・透明の綺麗さを優先するなら PDF/X-4。

入稿データのチェック項目一覧|PDF/X-1aとX-4の違いもわかる印刷前の完全ガイド

デザイン時に気をつけるべきポイント

PDF/X-1aで出力することを前提にした場合、制作の段階で注意が必要です。

1.RGB画像は使わず、必ず CMYK で準備

印刷会社の変換任せにすると
 ・彩度が落ちる
 ・黒が「リッチブラック」(CMYK混合)になる
 など再現性に影響します。

 2. 透明効果は Illustrator では避ける

ドロップシャドウ、乗算、ぼかし、光彩などはPDF/X-1aで強制フラット化されます。
複雑なデザインほど、

  • 思わぬ白フチが出る
  • モザイク状に分割される
  • テキストにかかった影が欠ける

などが発生しやすいです。

特に透明効果が多い場合は

  • Photoshopで統合した画像にしてしまう
  • PDF/X-4 を使う

のどちらかをおすすめします。

3. フォントは必ず埋め込み可能な書体を使用

一部フリーフォント(特に海外製)は埋め込み不可のものがあります。

“PDF書き出し時に消える文字”トラブルの原因です。

4. オーバープリントに注意

意図しないオーバープリントは、X-1aの厳格な処理で印刷事故につながります。
特に白のオーバープリントは絶対にNGです。

まとめ

PDF/X-1a は「もっとも堅牢で事故が起きにくい」印刷用PDFです。
一方で、透明効果やRGBを使ったデザインには向かず、制作側にも一定の注意が必要です。
用途に応じて PDF/X-4 と使い分けることで、より安全で高品質な印刷データを作成できます。

 


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