本を外側から見た時に、背表紙の反対にある側、「開く部分」のことを冊子印刷の用語で「小口」といいます。大抵の書籍では綺麗に切り落とされて、断面がまっすぐに見えるようになっています。

 

本の部分の名称

小口の反対側、綴じる側を「ノド」、ページの上を「天」、下を「地」といいます。

この四方の余白を適切に設定するのが読みやすく洗練された本づくりの重要ポイントです。

余白は基本的に冊子を通して同じに設定します。雑誌やアンソロジーなど、コーナーごとにデザインのテイストが全く違う場合は余白がばらばらになることもあり得ますが、通常の冊子は余白がばらけないように注意しましょう。

 

 

 

小口の余白の設定

小口の余白は、どんなに小さい冊子でも10mmは必要です。何故なら、冊子を捲る時に小口のどこかに指を置くため、紙面が隠れてしまうからです。写真やイラストなどは余白なしで全面配置してもよいですが、文字は必ず10mm以上内側に配置しましょう。

ノンブルだけは10mmより外にあっても問題ないです。

 

A4程度の大きさの冊子だと、10mmでも少々狭い印象に見えます。洗練されたイメージや、すっきりしたデザインに見せたいなら、15mm以上は開けるといいでしょう。

 

小口は本文の色がうっすらと透ける

本を閉じた状態で見た時、小口にうっすらと本文の色が透けて見えます。紙の断面自体は白ですが、ページの間に微妙に隙間ができるため、本文の色が透けて見えるのです。写真集や雑誌などは断面がカラフルで、小説や論文集などは真っ白になります。もし写真集や画集、ZINE、ブランドブックなどを作る際は、小口の色のことも意識してみてはいかがでしょうか。

 

 

小口をインデックスとして活用する

小口に色が見えることを一番効果的に利用しているのが、辞書、単語帳、手帳です。ページの端に色ベタの四角を印刷し、セクションごとにその位置をずらすことで、読者はページを開く前からどのあたりを開けばいいのか分かります。一部の辞書のようにはっきりと文字を印刷するとなると、特殊な加工が必要なのでネット印刷では難しいですが、小口に薄らと色が見えるくらいのインデックスなら、本文のデザインを工夫するだけで簡単にできます。

 

 

 

 

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